山にキャンプに釣りに、アウトドアに全力を注ぐホトリ室長saorinが、愛してやまない外ごはんについて語るコラム。山でよく見かけるクマザサを炒ってお茶にして飲んでみる話。
気が付けば、前回のコラムから半年以上経過してしまった。2022年はとっくにスタートしていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
新型コロナもまだまだ落ち着く気配を見せず、不安な日々は続いておりますが、ホトリ室長saorinは今日も元気です!(笑)
さて今回のコラムは、クマザサ茶について。お付き合いいただきたい。
突然だが、私の激推し漫画をここで紹介させていただく。
岡本健太郎氏作、「山賊ダイアリー」である。
写真生活手帖で以前、「おこもり時間に読みたいおすすめの本」特集があり、そこでは「山と食欲と私」を推薦した私だが、この「山賊ダイアリー」も「山食」(=山と食欲と私の略称)と同じくらいおもしろい。もう何度も読み返している。
【おこもり時間に読みたいおすすめの本 vol.7】山メシ万歳
https://shashinseikatsu.com/1231/
その「山賊ダイアリー」2巻に登場するのが、クマザサ茶である。
「クマザサはある程度標高の高い場所なら普通の笹の代わりに生えています」と書いてある通り、山ではクマザサをよく見かける。
ちなみに、国定公園に指定されている地域では、指定植物の採取や損傷は禁止されているが、調べてみたところイネ科・ササ属・クマザサは指定植物には該当しないとのこと。
参照URL:環境省 国立・国定公園における植物の保護対策について(指定植物)
というわけで、地場食材(?)を採って食べてみるのが大好きなわたくしsaorin、八ヶ岳の赤岳を下山した帰りに、クマザサ採取を試みる。
ささっとスマートに採取すべく(何となく、他の登山者に見られるとやや気まずいかな~と)、小型のハサミとジップロックを持参。
大漁!
やはりハサミがあると採取しやすい。(手でもブチ切れるが、意外にクマザサの葉っぱの根元が固い)
採取したクマザサをネットに入れて乾燥させる。
(ちなみに、一度採取してジップロックに入れたまま放置していたら、カビが生えてダメになってしまった)
からっからに乾燥した!
まずはこの乾燥したクマザサを、そのまま沸かして飲んでみることにする。
正直半信半疑だったのだが、一口飲んだ瞬間「おお、お茶だ!」
クマザサ独特の味とか風味とか、そういう感じでもなく、とにかく普通の緑茶に近い。これにはちょっとばかし感動。
ただ、乾燥させただけのクマザサだとちょっと味が薄いような気がしたので、もう少し工夫してみることにする。
別の山で採取してきたクマザサを洗い、細かくカットする。
フライパンで炒ってみる。
なんだか香ばしい匂いがしてきた。
炒ったクマザサでお茶を淹れる。
何となく、乾燥させただけのクマザサ茶よりも色が濃い気が。
飲んでみた。
おお、乾燥させただけのクマザサ茶よりも、はるかに香りが高くて美味しい。
クマザサ茶は高級とのことだが、それもうなずけた。
ある程度標高の高い場所にしか生えていないとのことで、山に行ったときにしか採取できないが、それでもしょっちゅう山で見かけるのがクマザサ。
〇〇山産とか、〇〇岳産とか、育った山での利き茶もおもしろいかもしれない・・・と書いてみたものの、実際にやってみたけど、クマザサはクマザサ。
別に産地での味の違いは全くなかった(笑)
クマザサ茶を飲んでみる話、おしまい。