食べること

22.03.03

遠い町の美味しいものを【Yummyな下町散歩】

シカノ ミエ

シカノ ミエ

シカノミエ・遠い町の美味しいものを【Yummyな下町散歩】

2022年の幕開けも

”コロナめ!”
まさか1年前の年明けと、同じことを書くことになるとは思ってもいませんでした。まったく、もうこんな生活嫌ですよねぇ。いったいいつ落ち着くんでしょうね。街歩きの楽しさと美味しいものを紹介する連載なのに、大っぴらに紹介できないじゃないですか。

けれどやっぱり腹はへる。

昨年は谷中・根津・千駄木界隈のお取り寄せを紹介したのですが、今回は下町ではなく、“舌町”、下町を離れ、遠い町の美味しいものを紹介します。

旅先の美味しいもの

長野を旅行した時に、青空市場的な催しで、長野だし、安いし、という理由でたまたま買ったりんごが、まあびっくりするほど美味しかった。小さくて、色もまだらで、無造作にビニールに入っていて。スーパーの棚に並んでいても手にとらないかな、という見た目だったのに。甘さと酸っぱさの程よいバランスと、固すぎはしないがほどよく固い、そう、絶妙な歯ごたえ。あっという間に食べ終えて、次の皮をむき始めるほどの美味しさ。りんごにあんなに魅力を感じたのは初めてのことで、名産というのにはなるほど、理由があるんだなと納得したのでした。

土地のものはその場で食べる喜びもあるけど、持ち帰る楽しみもある。このところ、あまり旅行には出れないかわりに、爆買いするようになりましたよ。

例えば長野に行ったとき。

シカノミエ・遠い町の美味しいものを【Yummyな下町散歩】

それから福島に行ったとき。

シカノミエ・遠い町の美味しいものを【Yummyな下町散歩】

さらには栃木でも。

シカノミエ・遠い町の美味しいものを【Yummyな下町散歩】

圧倒的に食べ物飲み物が多い、というか、ほぼそれしか買ってないか…。お酒と地ビールは欠かさず。野菜やきのこも。乳製品もチェック。名産品もちょいと。
旅先ではご当地の手ぬぐいを買っている、という友人の話をそれは素敵、と聞きながら、わたしの手は重たい野菜に伸びるのです。

旅先でわたしが楽しみにしている場所には、いつの間にかローカルなスーパーと道の駅も追加されていました。1泊2日でも、スーツケースをゴロゴロ引きずっていきます。

スーパーマーケットの楽しみ

旅先のスーパーの楽しみは見慣れない種類のものを発見すること。はい、スーパー探検隊になりましょう。生鮮食料もだけど、意外とお惣菜コーナーも面白い。何かわからないもののゼリー寄せとか、知らない魚の煮つけとか。

生鮮食料はなかなか旅先から買っては帰れませんが、味の想像をしながら脳内の宝の地図に印を付けることは可能です。

ただ、調味料やお菓子などは、普段行っているスーパーとそんなに変わらない品揃えだったりします。そんな時には隅々まで目を凝らす。さすれば諸君も他で見られない地元で作られたご当地の味と邂逅が叶うであろう、との啓示がありました。がんばりましょう。

長野・群馬に行ったらぜったいに寄って欲しいのは”TSURUYA”。素材にこだわったオリジナルの商品が多いのが嬉しい楽しい、そして美味しい。一度行ってからとりこになりました。

わたしが買って大正解だったのは、「トマトゼリー」(そのまま食べて美味しい)、「きのこの炊き込みご飯のもと」(お米に混ぜて炊くだけで美味しい)、「乾燥糸こんにゃく」(鍋にぶち込むだけで美味しい)、「熟成ベーコン」(地元在住の友人のお墨付き)。

買い出しのためだけにでも行きたいところだけど、さすがに気軽に行ける距離ではないので、次の旅の機会を待つことにしましょう。と思ったら通販もありました。オリジナルのジュースやジャムも美味しいです。

スーパーマーケットTSURUYA

道の駅の楽しみ

車があれば必ず寄るのが道の駅。どこも巨大な駐車場がいっぱいで、地元の人も使っているのがわかります。地元の人同様、わたしの目的も野菜。名産かどうかは知らないけれど、産直なのは間違いない。

例えば、福島に行ったときには、カリフラワーを農家のイケイケ姉さんから買いました。どれにする?と聞かれて、美味しいやつ、と適当に答えると、適当に選んでくれる適当さが心地いい。カリフラワーは今までスーパーで片手で持てる大きさのしか知らなかったのだけれど、ここで買ったのは、バスケットボールぐらいの大きさでした。本当に。渡されたときは、赤子を託されたときのようでした。家でしばらく、カリフラワーパーティーが続きました。姉さん、本当に美味しかったよ。

ところで、道の駅で人がごった返しているのは、野菜果物のあたりだけど、その奥の奥にひっそりと民芸品が置いてあったりするコーナーがあるじゃないですか。素朴な手作りの人形や、驚く値段の山ぶどうの籠やらが置いてある。わたしはその辺りのチェックも欠かしません。狙いは、ドライフラワー。時々宝探しに成功するのです。

つるのリースととアジサイのドライフラワーを買って、400円でこのリースを作ったの、ちょっとわたしすごくないですか?

シカノミエ・遠い町の美味しいものを【Yummyな下町散歩】

お土産屋さんの楽しみ

例えば、京都に行く前に、京都出身の友人に美味しいお店を教えて、と言うと「えーっと、餃子の王…」ってチェーン店の餃子屋さんの名前が出てきたりして、いやそうじゃなくてさ…と思うわけですよね。地元の人の行くリアルに美味しいお店は、期待しているような、木造のしっとりとした空間ではんなりとした京都弁に包まれながらふうふうと食べる湯豆腐やら懐石やらではないんですね。(ちなみにその話、他の人からも聞いたことがあるので、京都の人は本当に餃子が好きか、京都には美味しいお店が餃子屋さんしかないか、本当に美味しいお店は教えない意地悪か、のどれかだと思うのですが、どれだろう?)

そういう意味で、観光客がそこならではの物を求めてお土産屋さんに行くのは正しいのです。買い忘れてたお土産とか有名なお菓子とか観光客の欲しいものがギュッと詰まってるコンビニのよう。観光客の少ない今だと、お勧めを丁寧に教えてくれるついでに、撮影で来た芸能人の話など聞かせてくれたりもして。

旅慣れてる風を装いたい年頃だと、観光地のお土産屋さんは敬遠したくなったりするものですが、一周まわるとそのコテコテ具合が楽しめるようになります。

ちなみに栃木では(通称)レモン牛乳を買いました。ほのかな甘味が美味しくて持ち帰り用にも購入。一緒にレモン牛乳のレトルトカレーも。クリームシチューのような見た目とは裏腹に、しっかり目の辛さの中にほんのり酸味を感じるちゃんとしたカレーでした。

シカノミエ・遠い町の美味しいものを【Yummyな下町散歩】

いつか行く旅先の美味しいもの

ここまで行った場所の買い物を紹介しながらなんですが。やっぱり気合を入れた旅行に大手を振って行けるのはまだもう少し先かな、というわけで。
いつかいきたい場所の味も、先に取り寄せて味わってしまいましょう。

北の町の美味いもの

日本の最北端の市、稚内にあるスーパーマーケット・相沢食料百貨店の通販が魅力的というのを知って頼んでみました。どう魅力的かというと、中身がお任せなこと。旬のものを選んで入れて送ってくれるというのです。

その名も「おうちであいざわセット」。金額を選び、希望があれば希望を書くと、それに応じた商品が送られてきます。こういう、博打買いというか、福袋的な買い物、大好物。箱を開ける時のわくわくがたまりません。「海の幸中心で、ホタテを入れてください」という希望をかいて、1万円のセットを頼んだところ、届いたのはこちらの写真。

シカノミエ・遠い町の美味しいものを【Yummyな下町散歩】

ジャジャーン。最初に現れたのは毛ガニです、毛ガニ。グローブくらいの大きさです。その他のホタテもタラも白子も全てがジャンボサイズ。さすが、でっかいどう、北海道。(ご存じ?)

それにしても家にこんなに大量の白子がやってきたのは初めてで、どう扱っていいのかわからなかったのですが、半分を鍋にして半分をフライにしたら、2人暮らしの我が家でも、あっという間に無くなりました。まったく臭みがない、とろりとふわりの二重奏。最高でした。

銀杏草も初めてみる食材。どうやって食べるのかインターネットで調べながら調理するのも楽しいもので、サラダにすべく湯通ししたところ、赤茶から深緑色に変わるとともに、キッチン中に磯の香がブワッと広がりました。そのパワーたるや、あっという間に気分は、オホーツクの波の谷間の兄弟船。一方、味はまったくクセがなく、やわらかくて美味でした。

違う季節に頼んだら、また違う北海道の味が届くのかと思うと、また頼むことになりますよね、やっぱり。

相沢食料百貨店

南の町の美味いもの

鯵の一夜干しを食べたときに、今までわたしが食べてた鯵の干物はなんだったんだ!と思ったのが、「まんまるあじ」という商品。とにかく肉厚で、脂がのっていて、塩加減も絶妙で鯵そのものの味がいきています。これは実家の親にも食べてもらいたいなあ、と魚好きの老父の顔が思い浮かんだ、ごちそうの鯵の干物です。(思い浮かんだだけですが…。)

シカノミエ・遠い町の美味しいものを【Yummyな下町散歩】

こちらは、長崎県五島列島から届きました。

五島を愛し(おそらく)五島に愛されている知り合いが、五島の魅力を伝えるべく始めたネットショップの「五島列島マルシェ」からの取り寄せです。身内をひいきするわけではないのですが、美味しいものを知っている人が、愛と自信をもって扱っているものなので、何を取り寄せても間違いないです。

安納芋バターなんて、トーストに乗せたらたまらない美味しさで、そのままスプーンでペロリという禁断の楽しみ方をこっそりしていたら、あっという間に瓶が空になってました。

かまぼこセットには、魚の味が凝縮されている練り物がいろいろ入っていたのですが、”てんぷら”が、普段わたしが食べる”てんぷら”とは違ってたんですよ。そういう食文化の違いが感じられるところも、なんかほのぼのと楽しくていいんですよね。

わたしにとっての魅惑の白い粉・塩も、見た目からして明るくて南の島っぽさが感じられます。

シカノミエ・遠い町の美味しいものを【Yummyな下町散歩】

このサイトでは、五島の美味しいものだけでなく、美しい自然の写真も楽しめます。青い海の写真を眺めているうちに、気分は浪漫飛行へin the sky。
わたしはまだ行ったことがないのですが、五島がどれだけ素敵な場所かというのは、夫の知人女性が五島を気に入ったあまり、旦那さんを置いて移住した、という話を聞いただけでも想像がつきます。(旦那さんは退職後に移住予定とのこと。ほっ。)

いつか行く日に思いを馳せながら、食べ物の予習をぬかりなく。

五島列島マルシェ

 
次は街歩き記事を紹介できますよう!早くコロナが収束しますよう!!

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この記事を書いた人

散歩好き

シカノ ミエ MIE SHIKANO

東京の下町在住。 ひまがあれば美味しいものを求め、下町をウロウロしながら、 古い扉の奥に広がっている世界に思いを馳せ、新しいお店の可能性にときめき、 頭上の街灯を写真に収め、塀の上と車の下の猫とにらめっこしている。痩せる暇がない。

instagram:@m_n_deerfield