写真のこと

21.01.14

意識して撮る【写真生活手帖】

林 和美

林 和美

撮りたい写真のために

筋肉を鍛える時、その筋肉を意識しながら鍛えるのと、意識せずに鍛えるのでは、効果が違うのだとか。それぐらい意識することが重要なのです。

なんだかいい写真が撮れた!この時、「嬉しい、良かったー」で終わらせず、何がかっこいいんだろう?何が可愛いんだろう?と考えてみる。撮る時だけでなく、撮った写真に対しても意識する。次回撮影するときは、それを活かして撮ってみる。

無意識に偶然出来てしまったことは 、もう一度同じようにするのは難しい。漫然と偶然を探しても、それは実力にはつながりません。意識することで写真筋力のアップにつながります。

生徒さんによくする質問があります。それは「カメラは何をする機械ですか?」です。返ってくる答えは「写真を撮る機械です。」「ピントを合わせる機械です。」等々。時には、「思い出を定着させる機械。」なんて詩人もいらっしゃいますが…。

カメラは被写体の像を感光部の上に投影し適正な露光を与え、像をハッキリと結ばせるための機械です。簡単に言えば、光を取り入れて、その光の量とピントを調整する機械。

光が通る穴の大きさを調整するのが「絞り」、光を通す時間を調整するのが「シャッタースピード」です。この2つをうまく組み合わせて、一定の量の光がたまれば標準露出と言うことになります。光を溜めているんだと言うことを常に頭に置いてください。

暗いところだから、暗く写ってしまった。晴天の外で撮ったから明るすぎて白くなってしまった、ということはないのです。少し乱暴な言い方をすれば、どんなに暗くても光がある限り、長い時間をかければ写りますし、どんなに明るくても小さな穴を使って短い時間で撮影すれば、ちゃんと写っていないとおかしいのです。

わかっているから意識できる。絵を書くときにデッサン力が必要なように、写真もある程度基礎を押さえておく必要があるのです。

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この記事を書いた人

代表

林 和美 Hayashi Kazumi

写真生活手帖/代表、 フォトライフ・プランナー、 写真家、ギャラリー NADAR 主宰。 三重県生まれ。大阪芸術大学卒業後、広告代理店、フォトエィジェンシー勤務を経て現在に至る。 写真集 「ゆびさき」(青幻舎) 「装幀写真」(ナダール書林) 著書 「写真生活手帖」(ピエ・ブックス) 「写真生活手帖〜実践編」(ピエ・ブックス) 「女性のためのカメラレッスン」(大泉書店)

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