写真のこと

21.03.30

歩いたつもりで。家で楽しむ日暮里の味 【Yummyな下町散歩】

シカノ ミエ

シカノ ミエ

シカノミエ・歩いたつもりで。家で楽しむ日暮里の味【Yummyな下町散歩】

ほどよい個性と下町感がミックスした日暮里

駅を境にあっちとこっちで 風景がまるっきり違うところはたくさんあると思いますが、果たして日暮里もそれが顕著に感じられるところです。

日暮里駅を左に出れば、観光客が向かう寺町の谷中。右に出れば、日暮里。駅前にはどーんとそびえる高層マンションが目につきますが、それができるまでは駄菓子問屋が並ぶ、これぞ下町というイメージそのままの、昭和にタイムスリップしたかのような街でした。

そんな日暮里、住人以外では誰が駅を降りるのかというと、意外にも目につくのは個性あふれる洋服に身を包んだおしゃれピープルだったりします。彼ら彼女らの行き先は繊維問屋街。日暮里は手芸好きの聖地でもあるのです。

シカノミエ・歩いたつもりで。家で楽しむ日暮里の味【Yummyな下町散歩】

そんな日暮里は美味しいものも、なかなかに個性的かつ庶民的。今回は、その中から取り寄せ可能なものを紹介します。

ちなみにかつて駅前に軒を並べていた駄菓子屋も、今は1軒きりです。取り寄せができると調べてみましたが、ホームページさえありませんでした。うんうん。駄菓子屋さんはそれでいい。それがいい。

写真は、2006年に再開発で無くなる前の駄菓子問屋街で撮った1枚。店の奥の薄暗さに思わずセンチメンタル・ジャーニー。わたしは小さな容器に入ったヨーグルトと、指で紙をこすると煙がでてくるおばけ煙が好きでした。

シカノミエ・歩いたつもりで。家で楽しむ日暮里の味【Yummyな下町散歩】

金メダルのメンチかつ

街を歩いていると街灯にはいまだに東京2020という幕がかかっているのに気づきます。ようやく、オリンピックは海外からの観客は入れないで開催する、ということが決まりました。前代未聞の大会、いったいどうなるんでしょうか。

実はわたしはボランティアに応募している身なのです。海外旅行で、その国の人に親切にされた経験は忘れられないもので、そういう思い出を少なからず抱えているわたしとしては、東京に来る海外の人たちを笑顔で迎えて東京を好きになって帰ってもらいたい、と(わたしを知っている人にはまるで信じてもらえないだろう)高尚な思いを抱いて応募したわけですが、どうもそのやる気の方向は変えざるを得ないようです。まあ、仕方がありません。こうなった以上、東京が恥をかかないことを祈りつつ、イベントを楽しみたいと思います。

シカノミエ・歩いたつもりで。家で楽しむ日暮里の味【Yummyな下町散歩】

さて、ひらがななのに力強さを感じる看板の「きたじま」という書体。ここは何を隠そう、「チョー気持ちいいー」という言葉が流行語大賞にもなった、水泳の北島康介選手の実家です。

北島選手がオリンピックで金メダルを取ったとき、この近所の朝の挨拶は「おはよう」ではなく「おめでとう!」でした。お店の前には連日長い行列ができました。選手の活躍には力や笑顔を与えたり、街を盛り上げる力が間違いなくあるんですよね。コロナ渦でのオリンピックも、開催する以上はどこかでいい影響があればいいなと思います。

話がそれましたが、このお店の名物はメンチかつ。名実ともに、北島選手を育てたメンチです。スイミングから帰ってきたコウスケ少年がパクパク食べていたに違いありません。食べてみると玉ねぎの多さに驚きます。ふわっと甘味を感じるメンチかつです。子供のおやつになることを考えて作ったのかな、と下町人情肉屋スト―リーを勝手に紡いでしまいます。

シカノミエ・歩いたつもりで。家で楽しむ日暮里の味【Yummyな下町散歩】
北島商店 https://www.kitajima-shoten.com/

大福と笑顔対決

にんまりと微笑みかけてくる大福。いやいや、これはこれは。かわいいの一言。今まで大福から笑いかけられることなんてありませんでした。眺めていると、こちらまでにんまりしてしまいます。

その名も「妖怪★いちご大福」。思わず一つ一つに名前までつけてしまいたくなるかわいさです。しかしながら、すべすべの頭を撫でてひと可愛がりしたら、どちら側から食べようか考えをめぐらせ、大福同様の大口を開けてパクリ。こし餡なのが個人的には嬉しい。最初から最後まで笑顔が止まらない小さな大福です。今の時期はいちごの他、あんずもあります。シーズンごとにいろんな味が楽しめる楽しいお店です。

シカノミエ・歩いたつもりで。家で楽しむ日暮里の味【Yummyな下町散歩】
江戸うさぎ http://daito.shop-pro.jp/

あふれる肉まん愛

同じものを買うにしても、お店の人が感じいいと嬉しいし、買ったものの質まで高くなった気がしませんか。笑顔だったら、尚更です。間違いなくそんな買い物体験ができるのが、このお店。その名も「肉まん研究所」。

看板の文字も可愛い小さなお店は、販売のみです。小ぶりの肉まんがホカホカと蒸されながらケースの中で食べられるのを待っています。豚まん、キノコまん、チーズ麻婆まん…等々、種類が豊富で選ぶのに悩みますが、ここでわたしからのアドバイスです。「食べたいものは、全部買ってしまいなさい。」

今食べたい熱々のものは一つ選ぶとして、他の種類は冷凍のものを買えばいいのです。賢い。ぜったいに損はしません。ここの肉まん、どれも本当においしいから。しかも嬉しい下町価格です。

シカノミエ・歩いたつもりで。家で楽しむ日暮里の味【Yummyな下町散歩】

お店で、あれもこれも…と買ったときのこと。なんとなく自分の買い物の多さが気恥ずかしくなり「ここの肉まん美味しくて…」と言ったら、お店のお姉さんは笑顔で言いました。

「美味しいですよね!わたしもここで働いていながら、肉まん愛が止まらなくて!!」

ちょっと、ちょっと!わたしはすでに掴まれていたいた胃袋の他に、ハートも鷲づかみにされましたよ。店員さんが愛している肉まんなんて、美味しいに決まってるじゃないですか。もちもちの生地と中身のバランスも申し分ない、お勧めの品です。

くせになる担々つけ麵

たまに思い出して食べたくなるものってないですか?
わたしにとっては、ここ「桃天花」の坦々つけ麺がまさしくそれです。ゴマの風味が強い、コクがあってトロリとしたつけ汁には、味の記憶に作用する魔法の香辛料が使われてるのに違いありません。やや太目の麺との相性もばっちり。お店ではなぜかぬる目に提供されるのですが、それも含めてくせになる味です。
持ち帰りもあるので、ひょっとしたらと調べてみたらラーメン通販のサイトでこのお店のつけ麺も扱われていました。これでお店に行けなくても安心。便利な世の中です。

それでは庶民的な魅力タウン日暮里編はこの辺で。次回は、そろそろ街歩き記事に戻れますように!

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この記事を書いた人

散歩好き

シカノ ミエ MIE SHIKANO

東京の下町在住。 ひまがあれば美味しいものを求め、下町をウロウロしながら、 古い扉の奥に広がっている世界に思いを馳せ、新しいお店の可能性にときめき、 頭上の街灯を写真に収め、塀の上と車の下の猫とにらめっこしている。痩せる暇がない。

instagram:@m_n_deerfield