散歩好き
シカノ ミエ MIE SHIKANO
東京の下町在住。 ひまがあれば美味しいものを求め、下町をウロウロしながら、 古い扉の奥に広がっている世界に思いを馳せ、新しいお店の可能性にときめき、 頭上の街灯を写真に収め、塀の上と車の下の猫とにらめっこしている。痩せる暇がない。
instagram:@m_n_deerfield
食べること
20.07.18
今どき。散歩と写真はセットだし、食べ物と写真もセットだし、散歩と食べ物は言うに及ばず。
つまりは、散歩と食べ物と写真は、みんな大好き三点セット。切っても切れない三角関係。そんな楽しいだけの三角関係を、味わいたい、味わい尽くしたい、存分にむさぼりたい。こちらは、そんな欲にまみれたコーナーです。
なんとなく、大手を振った外出がためらわれるこのご時世ではあるけれど、長い長い間、時代の移り変わりを眺めてきた下町なら、こんな時にも散歩人を受け入れてくれる、懐の深さを持っている。もちろん同時に時代に即した対策もとっているわけです。
能書きは置いといて、とっとと、行っちゃいましょう。
今回は、下町と言ったら最初に名前が出てくる谷根千の、その中心ともいえる谷中の、これまたランドマークである夕焼けだんだんへ向かいます。
スタートは日暮里駅
日暮里駅は、谷中方面の出口がリニューアルを終えたばかり。気持ちいいスタートがきれます。駅名のところにさりげなく猫の足跡のモチーフが使われています。ちなみに駅のキャラクターのニャッポリもポスターなどによく姿を現しています。
さすが、猫の町!とはいえ、昼間歩いているときには意外に猫には遭わないんですけどね。遭ったらラッキーくらいでいると姿を現します。そうそう、猫にもソーシャルディスタンスの程、よろしくお願いします。人が好きな猫と、人が嫌いな猫。ほっといて欲しい猫と構ってあげてもいいぞという猫。態度ですぐわかるので、寄ってきた猫は存分にかわいがってあげてください。
日暮里駅を出てすぐ左側に広がっているのが谷中霊園だし、うろうろするとすぐお寺に当たるのが谷中。なんとその数60以上もあるとか。そんなわけで御朱印を集めるのが趣味の人にも魅力のある場所です。どことはお教えしないけれど、御朱印と一緒に、ビックリマンチョコのシールのような仏様の描いてあるシールをいただけるお寺もあります。
もちろん、お寺だけでなく神社もあります。高台にある諏訪神社は高い木々に囲まれ、凜とした空気に包まれています。眼下には西日暮里駅と線路。参拝後に境内で、次から次へとやってくる電車を眺めているだけでも時間を忘れてしまいそうですが、ここに来たらぜひ見て欲しいのが、御神輿が収められている神輿庫の前の狛犬。まん丸な目と、口の赤の塗りが雑なところがなんともキュート。ゆるキャラ認定したら、罰当たりですかね。
でも、寺町の谷中で一番味わってもらいたいのは、空の広さです。
高いビルに邪魔されない空の広さが、まぎれもなく谷中の良さの一つです。
そうだ。夕焼けだんだんに向かっているのでした。足の向くまま歩いて、目的地と違うところについちゃったりするのが散歩の醍醐味だったりもするけれど、夕焼けだんだんは迷いようもありません。
佃煮の匂いに負け、お煎餅屋さんの佇まいに負け。エスニックなトルコランプの目映さに目をひかれ、ベーゴマに興じるおじさん達に、教えを乞うかやめとこうか悩み。そんな寄り道をしつつ、夕焼けだんだんと名のついた階段を降りると、谷中銀座に入ります。魅力的なお店はたくさんあるけれど、今回おすすめするのは、脇道に入ったところにこっそりとたたずむ古民家を改装したカフェ。TAYORI
古民家という響きに弱いのは、わたしだけではないはず。しかも路地のその奥に。
好物×好物=最高。
店内は、モダンに改装されていているけれど、奥にはお座敷もあって落ち着ける雰囲気。
生産者さんのこだわりの食材を使った定食が食べられるほか、持ち帰りのお弁当やお惣菜もあります。
この日は、アジフライの定食をいただきました。アジは肉厚で美味しい。しかも上にはたっぷりのタルタルソース。具が大きいタルタルソースって、めちゃくちゃ魅力的じゃないですか。小鉢もそれぞれ味付けが凝っていて美味しいのです。ごはんとお味噌汁が美味しいっていうのもポイントが高い。
お茶の時間だと、スイーツもいただけます。甘さもちょっと控え目で大人には嬉しい。
おなかがいっぱいになったら、またひと歩きしましょう。食べ歩きできるものが多いのも、谷中の魅力。メンチカツの有名店は、サトウとスズキ。いずれも美味しいのですが、食べ比べてみるのも面白いですね。
和栗のモンブランが有名なお店や、人へのちょっとしたプレゼントにちょうどいいフロランタンのお店もあります。
この周辺の地図は 谷中銀座商店街 公式HPに載っています。
さて、そろそろ他に向かいますか。
猫も人間の相手をするのに疲れてきたようです。
散歩好き
東京の下町在住。 ひまがあれば美味しいものを求め、下町をウロウロしながら、 古い扉の奥に広がっている世界に思いを馳せ、新しいお店の可能性にときめき、 頭上の街灯を写真に収め、塀の上と車の下の猫とにらめっこしている。痩せる暇がない。
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