写真のこと

22.04.13

初心者でも写真が上達する「構図の1,2,3」

林 和美

林 和美

これを意識するだけで写真が変わる!

写真上達のためのメソッド。「6コマ学習法」に続いてご紹介するのは、「構図の1、2、3」です。

好きな小物、お料理、ポートレートなど、自分で被写体や背景にあるものを動かせる場合は、このメソッドを元に構図を考えてください。

また、風景や街のスナップなど、被写体や背景を動かせない場合は、このメソッドを元に自分で動いて構図を完成させてください。

コツは、駅員さんが安全を確認するためにする指差し確認のように、1、2、3と確認することです。

構図を考えるための1、2、3。

1、被写体
2、背景
3、四隅四辺

では、詳しく解説していきますね。

1、被写体

とにかく被写体を注意してよく見てください。

被写体をどの角度から見ると美しいか?
光の当たり方や影の出方はどうか?

小物なら、ゴミやホコリがついていないか?
お料理なら、乾燥して瑞々しさを失っていないか?
ポートレートなら、髪の毛が乱れてないか?

2、背景 

背景に何があるか確認してください。

写真上達に悩んでいる方が、あまり意識していないのが、被写体の背景・まわりに何があるかです。

言葉にしてみるといいでしょう。

上のこの写真の場合、
・スワッグの後ろは白い壁、白い木の塀で全体的に白。
・壁の一部に光が当たってスワッグの影と相まってキラキラとしてる
・手前に植物
・全体的に落ち着いた色合いだけど、明るいイメージ

背景は、映画やドラマで言えば、名脇役です。
一人芝居でない限り、主役だけでは、物語は成り立たないですよね。
それくらい背景は写真にとって大切な要素です。
同じ被写体でも、背景によって、雰囲気が変わります。

3、四隅四辺 

四隅四辺を確認する

ファインダー(モニター)の四隅四辺をぐるりと見渡して、中途半端な切り取りをしていないか、余計なものが画面に入り込んでいないか確認します。

シャッターを押す前の最後の確認。構図の最終確認です。大袈裟に言えば、「私は世界をこう切り取った」という責任を持つための作業です。

以下、四隅四辺を意識して切り取りを変えた写真3枚です。
どう違うのか言葉で説明してみてください。

上:向かって左の窓部分をカットしてみました。
中:スワッグをアップにして、手間の濃い緑のボケを少しカットしてみました。
下:フレーミングを横に変えてみました。

いかがでしたか?

大切なのは、意識することです。
今、あなたが何気なく撮ってるなら、構図の1、2、3を、ひとつずつ意識することで写真は上達します。

そうそう、この構図の1、2、3は撮る時だけでなく、写真を見る時にも使えます。今まで自分が撮った写真はもちろん、雑誌の写真なんかを見る時にも使えます。

・被写体はどうなっているか?
・背景には何があるか?
・どういう切り取りをしているか?

ぜひやってみてくださいね!

ちなみに私は、この「構図の1、2、3」を、カメラを持っていない時も常に意識しています。なので、時々、一緒に居る友人に「何考えてるの?」と不審がられます。。(笑)

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この記事を書いた人

代表

林 和美 Hayashi Kazumi

写真生活手帖/代表、 フォトライフ・プランナー、 写真家、ギャラリー NADAR 主宰。 三重県生まれ。大阪芸術大学卒業後、広告代理店、フォトエィジェンシー勤務を経て現在に至る。 写真集 「ゆびさき」(青幻舎) 「装幀写真」(ナダール書林) 著書 「写真生活手帖」(ピエ・ブックス) 「写真生活手帖〜実践編」(ピエ・ブックス) 「女性のためのカメラレッスン」(大泉書店)

WEBサイト:林和美写真画廊

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