暮らしのこと

21.01.23

植物から糸をつくって帯を織る【染織と日々のすきま】

柳川 千秋

柳川 千秋

昨年、葛の繊維で糸をつくった話を書きました。

今回は、そのつづきです。
葛を使って八寸帯を織ってみたので、そのことを書いてみようと思います。
(前回の記事はこちら→https://shashinseikatsu.com/1097/ よかったら合わせて読んでみてくださいね)

葛の繊維をとって、割いて、結んで、糸にしました。
織る時には、糸を杼(ひ)という道具にセットします。普段使っている絹糸は、小さな管に巻いてから杼にいれるのですが、葛はこんなふうに巻いて、杼にセットします。

柳川千秋・植物から糸をつくって帯を織る【染織と日々のすきま】

そして、織っていきます。
経糸(たていと)は絹、緯糸(よこいと)は絹と葛の両方を使いました。

生成りの部分が、葛の繊維を織り入れたところ。
今回、葛は染めずにそのままの色を使いました。

柳川千秋・植物から糸をつくって帯を織る【染織と日々のすきま】

経糸は桃の枝で染め、灰汁で媒染し、淡い桃色にしました。
緯糸は経糸と同じく桃の枝で染めたものを鉄媒染し、灰色にしました。

葛は、絹とはまた違う光沢がありますね。
光が反射して、きらきらします。

柳川千秋・植物から糸をつくって帯を織る【染織と日々のすきま】

着物と小物を合わせてみると、こんなかんじです。

柳川千秋・植物から糸をつくって帯を織る【染織と日々のすきま】

身近な植物が、身に纏えるものとなる。
かたちが変わること、触れた心地が変わること、それはなんだか不思議で、少し嬉しくもあります。

絹は糸屋さんから購入したので、糸のすべてを一から作ったわけではありませんが、それでもやはり時間と手間がかかりました。大変だなというのが正直な感想です。ただその大変さの中にも、新しい発見があったり、考えるきっかけがあったりします。

何かと忙しい日常生活の中では簡単ではないかもしれないけれど、ひとつのものとじっくり向き合い、仕組みや構造を考えて自分で組み立ててみることは、とても大切だと思いました。

身の回りのものが、どうやってできているか、なぜそうなっているのか。
たまにはゆっくりと思いを巡らせてみるのもいいかもしれませんね。

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この記事を書いた人

染織家

柳川 千秋 Yanagawa Chiaki

1988年神奈川県生まれ。元理学療法士。2016年より染織を学び始める。 糸を染め、機織りをして、着物や帯、小物などを制作している。

WEBサイト:https://yanagawa-chiaki.studio.site

instagram:@yanagawa_chiaki