和菓子が好きな会社員
金森 祐芽 Yume Kanamori
茨城県出身、多摩美術大学美術学部芸術学科卒業、現在は会社員。 和菓子と写真のほか、美術鑑賞・人形制作・旅行・お酒・映画も好き。
食べること
20.11.15
お彼岸も十五夜も過ぎ、秋が深まっていきます。
実りの秋、芸術の秋、読書の秋、スポーツの秋、和菓子の秋…
と言った人がいるのかは分かりませんが、ほっくり甘い香りの芋や栗を用いた和菓子が出回る秋、和菓子の美味しい季節であることは間違いありません。夏の水ようかんに続き羊羹の話が続いてしまいますが、これを取り上げなくして和菓子の秋はやってきません。
ああ、愛しの栗蒸し羊羹!
栗蒸し羊羹は練羊羹と違い、蒸して仕上げられたものです。もっちりした食感からも分かるように生菓子に近く、あまり日持ちもしません。通年でいつでも店舗へ並ぶ練羊羹にくらべ、栗蒸し羊羹の多くは季節限定。おひとり様サイズに切り分けられ陳列されていることが多いと思います。あと竹の皮に包まれている印象。いずれにしても秋の味覚で、短いところでは新栗の出回る1ヶ月程度しか店頭に並ばないところもあります。和菓子屋さんの軒先に「冷やし中華はじめました」のごとく「栗蒸し羊羹」と張り紙がしてあると、つい、立ち寄らずにはいられません。
初めて栗蒸し羊羹なるものを意識して食べた時、もともと栗が好きな私は、一発ノックアウト…和菓子好きになりました。そしていろいろな店の栗蒸し羊羹を食べるうちに、それまで餡子の味の違いさえ気にしたこともなかったのに、店によってこんなにも味が違うのね!と目からウロコ。
もちもち、ねっとり、さくさく、ほっくり、あまくて、おいしい。
勝手な見方によれば栗蒸し羊羹は2パターンに分けられます。
ズバリ、<上に栗ゴロゴロタイプ>と<中に栗コロコロタイプ>
どちらがお好きかはお任せしますが、武将気分に大きな一口で大胆に栗を頬張りたい時は前者、貴婦人気分で小さく一口ずつ羊羹と栗の食感を楽しみたい時は後者がおすすめです。
自分好みの栗蒸し羊羹に出会った時、
長くその和菓子屋さんを愛せるのではないのかなと思います。
和菓子が好きな会社員
茨城県出身、多摩美術大学美術学部芸術学科卒業、現在は会社員。 和菓子と写真のほか、美術鑑賞・人形制作・旅行・お酒・映画も好き。