部屋に飾る花を買おうとお花屋さんに寄ったら、「花束の注文をいただいてこれから作るんだけど、撮ってみない?」と誘われる。花束を作っている場面にはよく出くわすけれど、わざわざ「撮ってみない?」と声をかけてくれるのだから何かあるに違いない。
予想的中、ご注文の品とは「108本の真っ赤な薔薇の花束」でした。
さすがに詳細をお聞きすると胸が高鳴ります。そのとき私の鞄にはデジタルカメラが入っていたのですが、「他のカメラとレンズを取りに家に戻ってもいい?」とお願いしてしまいました。
お花屋さんが声をかけてくださったのも、こんなに沢山の薔薇を使った花束を作ることが滅多にないから。「こんな機会を写真に残してもらえたら」という想いがあってのことだったそう。撮る側の私も、一般的なスケールをはるかに超える数の花を目の前にちょっぴり緊張。
そして緊張するのにはもう一つ、別のわけもありました。この花束、実はプロポーズのために用意されるものだったのです。撮影したどの画像にもいつもと違う店主の表情がありました。わいわい話ながら撮っていましたが、私も険しい顔つきしてたんじゃないかな。
夕方から夜にかけての作業でしたので、フィルムカメラでは一枚だけ撮らせてもらいました。薄暗いなかぷるぷるする腕をおさえつつ手持ちで撮影。呪文は「揺れるな自分!ブレるな自分!」、腹筋三脚でがんばりました。
今回のタイトル「君に薔薇薔薇」に懐かしさを感じられる方がどれくらいいらっしゃるでしょうか。田原俊彦さん八枚目のシングル「君に薔薇薔薇…という感じ」からお借りしました。撮影中ずっと彼のこの歌が離れなかったんです。君に薔薇薔薇ハートは赤い薔薇…斬新な歌詞を口ずさみながらシャッター切りました。そんな世代です。
さて、肝心のプロポーズは大成功だったとのこと。お花屋さんとともに「やったね!」でフィニッシュです。ありがとうございました。
撮影場所
フラワー&グリーンショップ ムロマメ舎
東京都品川区戸越2-4-3 1F
https://www.instagram.com/muromamesha/
フィルム現像&データ作成(画像 二枚目)
フォトカノン戸越銀座店 https://photokanon.com/