旅のこと

20.08.06

最高の旅先【旅カメラ旅ごはん】

小野﨑 由美子

小野﨑 由美子

「今までで一番良かった旅行先はどこですか?」

私が旅好きと知ると、まず尋ねられる質問がこれだ。
うーん、どこかなあ、と考えていると、「おすすめの国ってあります?」と続く。これらは私にとっては、なかなかの難問である。
何故なら、常に直近の旅先が「今までで一番良かった!」になってしまうからだ。

小野﨑 由美子・最高の旅先
ランサローテ島(スペイン) オフロードの先に美麗ビーチが。

私がおめでたい性格だからということもあるのかもしれないが(多分にそう)、どこかに旅に出ると決めた時点で、既に自分にとっての「最高(かもしれない)」が用意されていると思うのである。

行きたい国を選び、訪れる町を選び、泊まる場所を決める。泊まりたいホテルから決めることもあるし、美味しそうなレストランから決めることもある。
そうして組み立てた旅の計画には、必然的に自分が好きになりそうなものばかりが詰め込まれていることになる。

小野﨑 由美子・最高の旅先
カトン地区(シンガポール) 艶やかなプラナカン文化が魅力的

当然ながら、旅に出れば思い通りに行くことばかりではない。

ホテルに予約が入ってなかったり、ふんわり人種差別されたり、1時間に1本しかないバスを乗り過ごしたり、お腹を壊して便器とお友達になったり、「下痢」という英単語が出ずに日本の旅行会社に国際電話する羽目になったり、交差点に突っ込んで来たバスにビビってバックして接触した後続車がフランス陸軍の車だったり。

いろいろそれなりにあるのだけれど、飛行機が羽田または成田に着いた瞬間から、もうどうしようもなく今まで旅していた国に「帰りたくなる」のだ。

小野﨑 由美子・最高の旅先
香港の人気の火鍋店 日本から予約していったのにリストに名前がなかった。なんとかねじ込んだ。

「旅をしていること」が楽しめる人は、結局どこに行っても楽しいのだろうと思う。日常に比べて格段に何事もうまくいかない状態に、がっかりしたり怒ったりしても(私だってキーキー怒ることもある)、まあこういうこともあるよね、とすぐに切り替えができたなら、また楽しく旅を続けられる(諦めが早いとも言う)。更に楽天的な要素が加わってくると、かなりいい感じになってくる。
がっかりな一日が終わり、シャワーを浴びてベッドに横になる頃には「これ、後で話のネタになっちゃうなあ。ふふふ」なんて思ってしまえたら、旅人として最強ではないか(あくまで持論である)。

さて、そこで冒頭の質問である。

こんな諦めが早くておめでたい旅好きな私に「どこが一番でしたか?」と聞いても無駄ですよ、ともいい歳こいたオトナとしては言えないので、いろんなパターンを考えて回答することにしている。

海が見たいのか、魚が見たいのか珊瑚が見たいのか、いやただ浜辺でゆったりチルアウトしたいのか。寒くてもいいのか、暑さの方が耐えられるのか、倒れるほど美味しいごはんが食べたいのか、いや、ただ超絶非日常な景色に身を置きたいのか。

できるだけ具体的な情熱をお伝えいただけたなら、こちらももうそれは全力でお答えする。何だったら、旅の計画だって妄想してプレゼン差し上げる。

小野﨑 由美子・最高の旅先
グリーンランド 氷山がビル並み。100m超えの氷山が崩落して津波が起きることも。

但し、それは私の趣味全開のご提案であるので、あくまで参考意見として聞いていただきたい。「実際に行ってみたら、そんなにご飯美味しくなかった上にめちゃめちゃ暑かった」「暑いと思ってたら夜中寒くて目が覚めて、トイレに行こうと思ったらでっかいヤモリがいた」とかいう苦情が出てくることも考えられるが、そこはオトナとしてなんとか対処してください。

そして帰って来たら「思ってたとおりじゃなかったけど、こんなに面白いことがあったよ」なんて教えて頂けたら嬉しいなあと思っている。ご報告、お待ちしております。

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この記事を書いた人

兼業旅人/猫愛好家/社畜

小野﨑 由美子 Yumiko Onozaki

旅と食と猫を愛するバブル入社の社畜。都内在住。 渡航歴は80回以上、訪れた国は30か国。香港への渡航は20回を超える。 以前はキレイな海や美味しいローカル飯が旅の主目的だったが、最近はグレートネイチャーな旅も。 愛猫しじみは元捨て猫(♂)。夫婦で絶賛溺愛中。 NADAR「女性による女性のための写真教室」で本格的に写真に取り組み始める。 愛猫はもちろん、旅の景色と食べ物、日々の東京を撮っている。

WEBサイト:Blog「次、どこ行く?」

instagram:@shijistagram