旅のこと

20.08.20

撮りたい風景を求めて〜北八ヶ岳・白駒池【山で逢えたら】

mimi

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どこに行きたいかではなく、何を撮りたいか。
それを基準に旅先を決めた、初秋の遅い夏休み。

「苔の森を撮りたい」
そうして出かけたのが北八ヶ岳の原生林の中にある「白駒池」でした。

mimi・撮りたい風景を求めて〜北八ヶ岳・白駒池
Photo by mimi / Olympus OM-10

標高2,115mの白駒池までのアクセスは、車があれば駐車場から徒歩15分。公共交通機関を使った場合、茅野駅または佐久平駅からバスが運行しています。
※運行日要注意

だけど「撮りたい景色」に会いに行ったところで、「撮りたい景色」が撮れるとも限りません。

到着してから池の周りを散策する程度の余裕もありましたが、そのうち雨が降りはじめ、いつしかそれはザーザー降りに。
登山道は川のように、レインウエアはずぶ濡れに。
籠城する以外何もできない大雨になってしまいました。

せっかくここまで来たのに、夕暮れも、星空も、朝焼けも、何も見られない。
写真が撮れず、何もする事がなかったので、ストーブの前で熱燗をすすり、本を読み、早めに休んだ山小屋の夜。

今思うと「何もする事がない」という時間はとても贅沢なのですが、この時は本当にがっかりして落ち込みました。
あまり決め込んで期待しすぎては、別の良さを楽しめずにもったいないですね。

翌朝。
雨脚が弱くなったので、いざ、苔の森へ。

mimi・撮りたい風景を求めて〜北八ヶ岳・白駒池
Photo by hanato / Olympus flex

シーズンオフの平日、雨の白駒池。
ここに私達以外、誰もいません。

mimi・撮りたい風景を求めて〜北八ヶ岳・白駒池
Photo by hanato / Olympus flex

静かで薄暗い苔の森は雨に濡れ、神秘的に輝いていました。

mimi・撮りたい風景を求めて〜北八ヶ岳・白駒池
Photo by mimi / Mamiya RB67

樹齢数百年の原生林、そこは人間ではない何かの住処。

雨でがっかりしたけれど、今思うと雨で良かった。

特別な世界を覗かせてもらったような、雨の白駒池でした。

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tocolier(トコリエ)オーナー

mimi

tocolierはhanatoとmimiによる二人組のモノづくりユニット。 「暮らしに寄り添うアート」をコンセプトに、 服と花のアトリエを運営しています。 そんな私たちが日々の暮らしで楽しんでいる季節のパスタや、山旅、お花の事などをご紹介します。

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