染織家
柳川 千秋 Yanagawa Chiaki
1988年神奈川県生まれ。元理学療法士。2016年より染織を学び始める。 糸を染め、機織りをして、着物や帯、小物などを制作している。
WEBサイト:https://yanagawa-chiaki.studio.site
instagram:@yanagawa_chiaki
暮らしのこと
23.05.15
4月のはじめに、実家からわらびが届きました。
わらびはそのままではアクが強くて食べられないので、アク抜きをします。今回は木灰(木を燃やして灰にしたもの)を使いました。
この木灰、草木染の媒染でも使います。先人の知恵、すごいですね。
わらびを鍋に入れ、木灰をふりかけます。
量は、なんとなく全体に行き渡るくらい。
そこへ熱湯を注ぎ、時間を置きます。
pHを測ってみます。
pH10くらいでしょうか。
アクは水溶性だそうですが、水につけるだけでは抜けません。アルカリにより繊維を柔らかくし、また熱を加えることでアクの成分が外に溶け出てくるそうです。
一晩置いたところ。
水の色が変わっているのがわかるでしょうか?
わらび自体も緑色が鮮やかになりました。
そして水洗いをして、さらに水にさらすこと数時間──
アクが抜けました!
シャキッと感と、ほのかな香りと苦味が、この時期ならではです。
わらび、みなさんはどのように食べますか?我が家では酢味噌和えやお浸しが定番ですが、そばの具や炒めものなどもいいですね。
ちなみに、わらびは染料にもなります。
これは以前染めた絹糸です。大きくなって葉が開いたわらびで染め、鉄媒染をしました。やや緑みをおびた、灰色のような茶色のような。雑木林の一部のような、とても好きな色に染まりました。
子供のころは、この時期になると近くの山や畑へ山菜採りに行っていました。今、なんとなくその時の、その場所の景色が思い浮かびます。
染も、食も、季節を感じられて、またこの季節を過ごせることを嬉しく思います。
では、また来年。
染織家
1988年神奈川県生まれ。元理学療法士。2016年より染織を学び始める。 糸を染め、機織りをして、着物や帯、小物などを制作している。
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