写真のこと

22.07.24

飯山折々/初夏・小満の頃

早苗 久美子

早苗 久美子

長野県飯山市。
長野県の北端にあり、唱歌「ふるさと」「朧月夜」に歌い継がれる光景の広がる
この土地に、縁あって撮影に通っている。

山々に囲まれ、千曲川を抱くこの土地の自然は、豊かで厳しい。飯山は日本有数の豪雪地帯で、冬、山間部では3m以上の積雪になる。また、千曲川は洪水を繰り返してきた暴れ川。2019年の台風19号による豪雨災害はまだ記憶に新しい。そのような厳しい自然環境でありながら、この土地には縄文の昔から人が暮らしてきた。そのことに、私は強く惹きつけられている。

飯山に行くたびに、ここでは人の営みもまた自然の一部として存在してきたのではないだろうかと感じる。人が暮らすのに決して楽な土地ではないだろうに、“無理のなさ”がある気がしてならない。そんな飯山の季節折々の光景を、ここでお届けしていきたいと思う。

5月下旬、初夏・小満の頃

季節は少し遡るが、5月下旬、初夏・小満の頃。

田んぼに水がはられ、田植えが始まる季節。春を彩った菜の花は、少し標高の高いところにかろうじてその名残を残していた。草花は勢いを増し、溢れる生命力が明るく眩しい。シュレーゲルアオガエルが心地よい鳴き声を響かせていた。

早苗久美子・飯山折々/初夏・小満の頃
早苗久美子・飯山折々/初夏・小満の頃
早苗久美子・飯山折々/初夏・小満の頃
早苗久美子・飯山折々/初夏・小満の頃
早苗久美子・飯山折々/初夏・小満の頃
早苗久美子・飯山折々/初夏・小満の頃
早苗久美子・飯山折々/初夏・小満の頃
早苗久美子・飯山折々/初夏・小満の頃
早苗久美子・飯山折々/初夏・小満の頃

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この記事を書いた人

編集長/写真家

早苗 久美子 Sanae Kumiko

写真家、NADAR店長、写真生活手帖編集長。 南青山の写真専門ギャラリー「NADAR(ナダール)」にてギャラリー運営の実務全般を担当するほか、写真教室やワークショップの講師としても活動。写真家としても継続的に作品を制作・発表しているほか、「写真と言葉」をテーマにした活動の一貫として、自身が撮影した写真でポストカード制作し定期的にお手紙をお送りする「お便りプロジェクト」にも取り組んでいる。

WEBサイト:草原の夢

WEBサイト:東京・南青山/写真ギャラリー&写真教室のナダール

instagram:@kumiko.sanae_nadar