tocolier(トコリエ)オーナー
mimi
tocolierはhanatoとmimiによる二人組のモノづくりユニット。 「暮らしに寄り添うアート」をコンセプトに、 服と花のアトリエを運営しています。 そんな私たちが日々の暮らしで楽しんでいる季節のパスタや、山旅、お花の事などをご紹介します。
WEBサイト:https://tocolier.com/
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twitter:@tocolier
旅のこと
20.10.08
シーズンオフに、公共交通機関と徒歩のみで、自然の豊かさを楽しむのはなかなか難しい。
電車を乗り継ぎ、少ない本数のバスで絶景スポットに行くのは至難の業である。
ある時見つけた「車で撮影スポットに連れて行ってくれる」というサービスが付いた宿泊プラン。私達はこれだ!と思いそれを目的に旅先を決めました。
季節は初秋。
夏の賑わいは過ぎ、紅葉にはまだ早い。
だけど現地の方だから知っている撮影スポットに車で連れて行ってもらえたなら、何かいい写真が撮れるかもしれない。
そう期待していたけれど、宿の方が勧めてくれる撮影スポットは全て徒歩で行ける場所。
徒歩でもいいけれど、せっかく車で連れて行ってもらうプランで申し込んだので徒歩では行けないところに行きたかった。
何か事情があったのでしょうか。
結局その場に居合わせた宿泊客の方の親切で、翌日その方が私達を車に乗せてくれる事になりました。しかし、知り合ったばかりの方に「写真撮りたいので車停めてください」とはなかなか言い出せないものです。
(あ!あの木を撮りたい…!)
そう思ううちに車はどんどん進んでいきます。
最終的に何もないスキー場で解散し、そこからバスで帰る事になりました。
車に乗せてくれた優しいおじさまに感謝しつつ、予想外の展開に少し残念な気持ちで帰路につきました。
しかし「写真」にはそんな思いも「美しいものに変えてくれる」「行って良かったと全てを肯定できる」そんな力があると思います。
旅の始まり。ロープウェイ跡地には誰ひとりいなかった。
寂しいな、と思ったけど、今思うと誰もいなくて良かった。
ロープウェイの中で。
自分にとってお気に入りの写真が一枚撮れたなら、その旅はそれでもう十分かもしれない。
早起きして出かけた田の原湿原。
ニッコウキスゲも咲き終わり何もない。
だけどこの木に出逢えた、それだけで良かった。
これから紅葉していくシダ。
写真は紅葉前の色の美しさを教えてくれる。
朝陽に輝くススキ野原が美しくて。
天気が良かった。
それだけでラッキーなんだと思う。
車で連れてきてもらった日本国道最高地点。
「あの辺り、芝生のようにふかふかして気持ち良さそうでしょ。でもあれは笹なんだよ。」と教えてくださった。
写真を振り返る度にそれを思い出し、ここまで連れてきてくれた方の優しさに感謝する。
夏リフトも営業終了した9月のスキー場。
初秋の花の落ち着いた色合いも素敵。
ここに来る事は考えてもいなかったけど、
営業していないリフトというのも風情があっていい。
なんだかよくわからない展開というのも、旅の面白さの一つなんだと思う。
美しさはいつでもどこでも溢れている。
ファインダーを覗けば、肉眼とは違う景色が広がる。
この写真が撮れて良かったという思いは、この日、この時、この場所に行けて良かったというものでもあり、その時の感情とは別の次元で全てを肯定してくれる。
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