暮らしのこと

23.03.24

直して、着る。【染織と日々のすきま】

柳川 千秋

柳川 千秋

昔から、服が好きです。
そして、捨てられない。

少しずつ暖かくなってきたので

この時期にちょうどよいコートをクローゼットから出してみました。

柳川千秋・直して、着る。【染織と日々のすきま】

たしか10年程前に、高円寺の古着屋さんで買ったもの。買った時と比べて、だいぶくったりとしてきて、着れば着るほど身体に馴染んでいく気がします。

しかし、長く使っているとダメージも出てきます。
気になるのは、繊維が一部擦り減って穴が開きそうになっていることと、色落ちです。

柳川千秋・直して、着る。【染織と日々のすきま】

そのままでもそれはそれでいい感じですが、なるべく長く着たいと思ったので直してみることにしました。

まずは、ポケットの裏側などの目立たないところから糸を数本引き抜いて、

柳川千秋・直して、着る。【染織と日々のすきま】

針と糸を使い、生地の裏から、織り目に沿って糸を入れていきます。

柳川千秋・直して、着る。【染織と日々のすきま】
柳川千秋・直して、着る。【染織と日々のすきま】

擦り減っていたところがだんだん埋まってきました。

柳川千秋・直して、着る。【染織と日々のすきま】

最後に、出ている端の糸を切って馴染ませます。
表から見ると、こんなふうになりました。

柳川千秋・直して、着る。【染織と日々のすきま】

少しはダメージが目立たなくなりました。
色落ちに関しては、気が向いた時に染め直してみようと思います。

たまに、がらくた市や古道具屋さんで継ぎ接ぎされた襤褸(ぼろ)に出会うことがあります。布や服が貴重だったこともあるかもしれませんが、その一枚を大切に使う、使い切るという想いが積み重なっているようで、しばらく見とれてしまいます。

できるだけ、時が流れてもずっと持っていたいと思えるものを選んで使い続けていきたいと思っている今日この頃です。

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この記事を書いた人

染織家

柳川 千秋 Yanagawa Chiaki

1988年神奈川県生まれ。元理学療法士。2016年より染織を学び始める。 糸を染め、機織りをして、着物や帯、小物などを制作している。

WEBサイト:https://yanagawa-chiaki.studio.site

instagram:@yanagawa_chiaki