写真のこと

20.07.17

写真は記憶の記録

junichiro kano

junichiro kano

写真の魅力のひとつは、記憶を呼び起こせることだと思っている。もちろん、写真なんてなくたって記憶に残っていることはたくさんあるし、それを思い出すことだってできるとは思う。

では7年前、2013年にどんなことがあったか、何をしていたか、思い出してみよう。

私は、妻と結婚したばかりで熊本に住んでいた。そこで写真関連の友達をたくさんつくり、日々の生活を楽しんでいた…ということはよく思い出せるし、あんな場所やこんな場所にいったな、なんて記憶もある。しかしそれが明確にいつだったか、という記憶は曖昧で、ちゃんと覚えているわけではない。

junichiro kano・写真は記憶の記録

この写真は7年前、熊本でハロウィンパーティに参加したときのものである。7年前に何をやっていたか、と問われても漠然とした記憶しか思い出すことができないが、こうやって一枚の写真があるだけで記憶が連鎖的に呼び起こされるのである。

ちなみに写っているのはマリオの仮装をした妻であり、私はこの日ルイージの仮装をしていた。この日カメラはNikonのF5を持ち出しており、フラッシュをバウンスさせてバシバシ写真を撮っていたことも思い出す(この写真はノーフラッシュ)

junichiro kano・写真は記憶の記録

そうそう、バットマンやパーマンもいた。この3年後、私が熊本を離れ東京に戻ってきたあとに熊本震災があったのだが、みんな元気にしているだろうか。

最高に作り込んだ作品的な写真、それはそれで価値のあるものだと思うけれど、「記憶の記録」という意味での写真もいいものなので、是非そんな写真も撮ってみてもらいたい。今すぐにはなんの変哲もない日常写真で面白みはないかもしれないが、5年後、10年後に見返したときに、価値を感じられるに違いない。

junichiro kano・写真は記憶の記録

最後の一枚は昨年、2019年の2月に子供が生まれた日、病院に向かうタクシーの中で撮った一枚である。この日のことは、写真がなくてもいつまでも忘れないかな…

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この記事を書いた人

ビール王

junichiro kano

モノクロフイルムとビールをこよなく愛する一児の父。 毎日の記憶を記録するために日々他愛もない写真を撮り続けている。 週末の楽しみは写真散歩とビアバー巡り。好きなビールは志賀高原ビール。

WEBサイト:https://junichirokano.com/

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