食べること

21.06.23

和菓子の日【和菓子と写真】

金森 祐芽

金森 祐芽

久しぶりの更新となってしまいました…
桜の季節もとうに過ぎ去り、梅雨の足音が聞こえてくる初夏です。

さて、少し前のことですが、6月16日が何の日か知っていますか?

まだご存知でない方が多いかもしれませんが、6月16日は和菓子の日なんです。

なぜ6月16日が和菓子の日になったのか?
由来を簡単に紐解きますと、もともとはおめでたいしるしの嘉祥(嘉定)のひとつとして、疫病を除け健康を祈る日でした。その起源は平安時代にまで遡るとの説もありますが、はっきり文献が残っているのは鎌倉時代ごろから。宮中では6月16日を祝って、さまざまな行事に加え和菓子をお供えする風習が宮中で行われていたそうです。

より盛大に、よりお菓子に重きが置かれるようになったのは江戸時代のこと。

宝永6年(1709年)の5代将軍徳川綱吉の時には、江戸城の大広間に饅頭や羊羹など8種類の和菓子が用意され、大名・旗本が将軍より菓子を賜ったといいます。
良いされた菓子の数はなんと2万個以上…!
2万個もの菓子が盆に乗せられ並んでいる姿、そしてそれを受け取りに来るお偉いさんたち…
ぜひ襖の影からこっそり覗き見してみたいものです。

長く年中行事として親しまれ、明治時代までは人々の間にも浸透していたようですが、その後は廃れてしまったとのこと。行事を復興すべく、全国和菓子協会が1979年に6月16日を「和菓子の日」と制定し、現代によみがえらせました。最近では、和菓子の日を盛り上げようと特別なお菓子を売り出したり、プレゼントやイベント行ったりしている和菓子店もあります。

お正月に花びら餅、端午の節句に柏餅を食べるように、好きな和菓子を食べながら6月16日を祝う風習が、また人々の間に根付いて行けばいいなと思います。

和菓子の日に食べる和菓子に決まりはありません。季節の和菓子、好きな和菓子、せっかくだから初体験ものなどなど…、大好きなお菓子を食べて、和菓子の日を祝いましょう。

カステラはもちろん和菓子

金森祐芽・和菓子の日【和菓子と写真】
(坂本屋/四谷)

健康を祝い、かわいいカメ最中でお祝い

金森祐芽・和菓子の日【和菓子と写真】
(亀澤堂/神保町)

初夏のお菓子で楽しむなら若鮎

金森祐芽・和菓子の日【和菓子と写真】
(丸万/新橋)

参考資料:
・全国和菓子協会 https://www.wagashi.or.jp
・「和菓子の歴史」青木直己
・「和菓子を愛した人たち」虎屋文庫

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この記事を書いた人

和菓子が好きな会社員

金森 祐芽 Yume Kanamori

茨城県出身、多摩美術大学美術学部芸術学科卒業、現在は会社員。 和菓子と写真のほか、美術鑑賞・人形制作・旅行・お酒・映画も好き。