撮った写真をあらためて見てみる。じっくり時間をかけて選ぶ。そうやって、モノになった写真に触れるということは、自分自身が撮った写真を再発見するという新たな体験だと前回書きました。それでは、私の場合はどうしてきたか、一つの体験談としてささやかですがご紹介しようと思います。
部屋に飾る
1枚目の写真のフローリングの部屋はダイニング、2枚目の畳の部屋はリビング、住んでいるマンションは、今こんな感じになっています。もともと時間を積み重ねた古いモノが好きで、写真もそういう雰囲気に調和するように選んでいます。家具は父が残したキャビネットや作業台だったフランスのテーブル、デンマークのイージーチェア、など。リースは昨年の12月に作ってドライになったものです。
季節が変わったり、ふと思い立ったときには、飾る写真や雑貨、そして家具も含めた思い切った配置替えをするようにしています。とくに椅子とテーブルの位置を変えてみると視界が大きく変わって、住み慣れた部屋でも新鮮に感じられるようになるのでオススメです。
ところで、私のプロフィールで少し触れていますが、2012年から2019年まで、この2部屋を解放するオープンハウススタイルのギャラリーを運営していました。詳しくは、次回あらためて触れることにします。
壁に貼る
こちらはキッチンの壁になります。張っている写真はここ10年くらいのもので、イベントの時の一期一会の集合写真や、家族や友人とのスナップ、依頼による撮影の後で撮った記念写真など。そのうちにアルバムにと思って貼っていった写真が、少しづつ増えていって今では100枚を超えてこんな風になりました。サイズと縦横を揃えているくらいで、あとはプリントした順にピンで止めています。
いつでも見える場所にあるので、毎日キッチンを行き来していると何気なく視線を向けて写真が目に入ることがあります。その1枚の写真があの日あの時の記憶をスッと呼び起こしてしてくれる…それは、ありきたりに思えていた日常が、かけがえのないものなのだと気づかせてくれる、そんな瞬間でもあります。
アルバムや本にする
左の古いアルバムは亡くなった母が残したものです。今から68年前の1952年に当時高校三年生だった母が、京都と奈良に出かけた修学旅行で撮ったスナップや記念写真を1冊にまとめていて大切に保管していたようです。
真ん中のアルバムは、26年前に私と妻が出会ってからの10年分の写真の中から2人で選んで1冊にしたもの。途中、写真に興味を持ち始めた時期からそれまでと雰囲気が変わっていて面白いなぁ、と思います。
そして、右の本は2009年から昨年まで続けていたブログから、56日分を選んで文章と写真の構成を編集し直して作りました。タイトルの通り、この本は私にとって大切な「記憶のかけら」です。そして…表紙のキッチンの壁の写真は、今も増え続けているのです。