デジタルカメラで写真を撮る時に必ず必要になるもののひとつが、記録メディア。現在主流となっているのは「SDカード」です。
「SDカードは容量の大きなものを選べんでおけば、とりあえず大丈夫だよね」と思われている方もいらっしゃるようですが、実は、容量以外にも性能の違いがあるのです。同じ容量なのに値段の安いものと高いものがあることを不思議に思ったことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、それは、それぞれの性能に大きな違いがある為です。
その違い、いまいちわかってないかも…。と言う方もいらっしゃるかもしれませんので、今回はSDカードの選び方、SDカードによって何が違うのか、というポイントを解説します。
SDカード選びで確認しておきたいポイント
SDカードを選ぶときに重要となる性能に関する情報は、実はカード本体の表面に表示されています。
SDカード表面には様々な情報が表示されている
色々な数字やマークがかかれていますが、ここから以下の内容がわかります。
・カードの種類
・容量
・転送速度
・スピードクラス
・UHS規格
ひとつずつ説明していきますね。
SDカードの種類
まずは、カードの種類について。
SDカードの種類は、容量の大きさによって3種類に分類されます。
・SD : 2GMまで
・SDHC : 4GB 〜 32GB
・SDXC : 64GB以上
どのカードに対応しているかは、カメラの機種ごとに違います。対応している規格によって使えるカードの種類が変わります。
・SD規格対応 : SD
・SDHC規格対応 : SD、SDHC
・SDXC規格対応 : SD、SDHC、SDXC
上位規格に対応している機種なら、下位規格のカードも使える。
最近のカメラはSDHCやSDXCに対応しているものがほとんどですが、念の為、自分のカメラの対応規格を確認しておきましょう。
カードの容量、どのくらい必要?
では、容量はどの位のものを選べば良いのでしょうか。
あまり小さな容量では、すぐに一杯になってしまって不便です。デジタルカメラは手軽にシャッターを切れるので、つい撮影枚数も多くなりがち。特に、旅行などで使う方は、カードの容量に余裕がある方が安心です。
撮影時のデータサイズによって、必要となる容量も変わってきますが、だいたい32GB程度あれば、ちょっとした旅行に持っていく場合にも安心だと思います。
長期間の旅行の際や、データサイズの大きい設定で撮影する方、RAWデータを記録しておきたい方は、更に容量の大きなカードの方がおすすめです。(撮影時のデータサイズやRAWについては、別の記事で解説しますね。)
転送速度
カードの種類、容量に次いで重要なのが、転送速度。SDカード表面に「90MB/s」というように表記されています。(この表記の場合、1秒間に90MBのデータを転送できる、という意味です)
転送速度には「読取り」と「書込み」の2種類あります。カード表面には、読取り速度のみが記載されている場合が多いですが、パッケージには両方とも表示されているはずです。(メーカーによっては「R:270MB/s W:120MB/s」のように両方表記してあるものも。Rが読取り、Wが書込みです。
<読取り速度>
SDカードからパソコンへの転送速度。読取り速度が速いほど、パソコンへのデータ転送が速く完了できる。
<書込み速度>
撮影時にSDカードに書き込む(記録する)速度。書込み速度が速いほど、連写撮影に有利になる。
大量のデータを扱うときは、読取り速度が速くないと、カードからパソコンにデータを取り込むだけで時間が掛かってストレスになります。また、鉄道などの乗り物、動きの速い動物、子供の運動会など、連写撮影をする機会のある方は、書込み速度の速いものを選ぶ必要があります。(書込み速度が遅いと、カメラのもつ連写性能を最大限に活かすことができない場合もあるので、要注意!)
通常は、だいたい90MB/s’程度あればストレスなく使えると思いますが、連写を使う方はより速いものを選んでください。(高速連写をするなら、260MB/s’程度は欲しいところ。)
UHS規格
転送速度とあわせて確認したいのが、UHS規格です。
UHS規格とは、より高速な撮影やデータ転送を可能にする規格のこと。SDカードには「UHS非対応」「UHS -I対応」「UHS-II対応」のものがあります。カード表面には、UHS -I対応は「I」とだけ、UHS-II対応の場合は「II」とだけ表示されています。どちらの表記もない場合は非対応ということです。
規格ごとの転送速度の違いを道路に例えるなら、UHS非対応が一般道、UHS-Iが高速道路、UHS-IIがサーキット、というイメージです。
これもカメラがどの規格に対応しているかによって、使えるものが変わります。現時点では、多くのカメラはUHS非対応かUHS-I対応。UHS-II対応のカメラはまだ多くないようなので、自分のカメラの対応規格を確認してみてください。
スピードクラス
もうひとつ、スピードクラスについて。スピードクラスは、データの「最低転送速度」を表す表示で、これは動画撮影する場合に重要となる項目です。
動画撮影の場合、カードに一定以上の転送速度がないと、正しく記録することができません。そこで、SDカード表面にも、そのカードで保証される最低転送速度がマーク表示されています。
規格は3種類。それぞれマークが異なります。
・SDスピードクラス
・UHSスピードクラス
・ビデオスピードクラス
撮影する動画の種類(フルHD、4Kなど)によって、必要になるスピードも変わります。動画撮影をしたい場合は、推奨されているスピードクラスを確認してください。
動画を撮るなら、スピードクラスも要確認。
確認はトリセツの「仕様」欄で
ところで、今回の記事では何度も「自分のカメラの対応規格を確認しておいてください」と書きましたが、「どうやって確認したらいいのですか?」というご質問をいただいたことがあります。確かに、どこを見たら良いのか、わかりにくいですよね…。
答えはズバリ、取扱説明書の「仕様」欄です。
だいたい説明書の後ろの方に書かれていることが多く、トリセツの中でも群を抜いて事務的で地味なページ(個人的感想)なのですが、カメラのスペックなどが一覧表示されているので、自分のカメラの性能について知りたいときは、まずここを確認します。
SDカードについては「記録媒体」という項目を探していただくと、書いてあるはずです。見てみてくださいね。
SDカードは消耗品
最後に、声を大にして注意喚起しておきたいことが2つあります。
ひとつは、SDカードは「データを一時的に記録しておくためのもの」なので、長期間の保存には向かない、ということ。
撮影した画像を、ずっとそのSDカードに保存しておき、カードの容量が一杯になったら、新しいカードを買い足して使用する。一杯になったカードはデータを入れたまま自宅に保管している。という方が時々いらっしゃいます。
これは、とーーーっても危険です。SDカード内に長期間データを保存しておくことを目的に設計されていないので、保管しているうちに、いつの間にかデータが消えてしまう可能性があります。お子さんの成長記録や節目の記念写真など、大切な写真が消えてしまってからでは取り返しがつきません。
撮影後のデータは、決してSDカードに入れっぱなしにせず、必ずパソコン等に取り込んでください。(できれば、パソコンだけでなく、外付けのハードディスクなども使って、2カ所の異なる媒体に保存しておいた方が安全です。)
ふたつめは、「SDカードは消耗品」だということ。使用しているうちに、記録できる容量が少なくなっていくなど、新品時の性能を維持できなくなっていくものです。いずれは買い替えが必要になる消耗品だと覚えておいてくださいね。
本日のノート
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